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ん~、丹波!

 丹波家家系図のさいしょは、後漢の十二代皇帝・霊帝だ(!?)という。さすが「霊界の宣伝マン」はスケールがちがうなぁ、と、感心するしかない。しかも、“丹波”姓は、坂上田村麻呂の六男・丹波康頼にはじまるそうで、いやはや、もう。

 『大俳優 丹波哲郎』(ワイズ出版/丹波哲郎・ダーティ工藤著)
を読んだ。「インタビュー篇」のおもしろさに、ぼくはもうノックダウンだ。

 祖父は東大の名誉教授で、いまの東京薬科大学(の前身)の創立者というのだから、こどものころはもうたいへんな坊っちゃん。まわりはみんな東大というなかで、なぜ、丹波哲郎というユニークな俳優が誕生したのか。そして、その俳優じんせいとは。そんでもって、なんで「霊界」?これが、あの丹波さんの飄々とした語りで述べられていくのだから、おもしろくないはずがないではないか。

 態度がでかいのに、愛嬌がある。どうどうとしていながら、場を和ませる。ふしぎなオーラをはなつ丹波さんの、俳優じんせいのまえの、学生、軍隊、GHQの通訳、といった時代のはなしも、すごいんだよね。
 
 軍隊時代は
 「五十万人の学生兵のなかに、劣等兵が三百六十人。その三百六十人のなかの一割が落第して、俺はそのなかに入っちゃう」
というような「ダメ」ぶり。しかも態度はでかいというので、「俺はオーバーに言うと十倍ぐらい殴られた」。

 戦後、GHQの通訳(外務省臨時嘱託)に採用されたのは、大学で、荷物置き場がほしくて「当時運動部以外でロッカーがあるのは、英会話部だけだった」ので入部していたら部の議長にさせられてしまっていたため。でも当時はあんまり英語がとくいでなく、ほとんどしごとはせずに、二年間も逃げ回ってばかりだった、とか。

 役者となって、それから映画俳優、テレビでもヒットを連発、しかも『007は二度死ぬ』などに出演したりで国際的にも活躍、と、まさに「大俳優」となっていくぶぶんが、もちろんメインになっているが、他の俳優、監督などについてのエピソードもさいこう。
 
 「霊界」は、まぁ、ほかのひとだったら「なにいってるんだ」ってはなしだろうが、丹波さんだからこそ、あのブームを呼べたわけで、「丹波哲郎」のスケールは「大霊界」よりでかい、という印象だ。

 税込み三九九〇円。ちょっと、いや、かなり高いが、損はしないよ。写真と資料も満載だしね。

 せんじつ、池袋にさがしにいって見つからず、イーエスブックスに注文していた
 『情報デザイン入門 インターネット時代の表現術』(平凡社新書/渡辺保史著)
を、いまコンビニで受けとってきたところだよ。 
by taikutuotoko | 2004-08-07 14:42 | 本・雑誌・新聞・書店


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