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「オヤジ」の頭の中。

  『目白雑録』(朝日新聞社/金井美恵子著)
を、あんまり暑いんでファミレスに居座って読んだ。

 じつをいえば、金井さんのは短篇小説をむかし読んだときに、文体があまりに独特で、こ、これはよくわからないぞ、というふうにおもってしまい、それいらいどうも敬遠していたのだけど。

 んー、後悔。はやく読んでおくべきだったかな。

 女性らしい感性・知性、なんていい方を安易にするのは、逆にそのひとの知性を疑われかねないことだから、慎重にしなければならないとはおもう。たしかに、逆に、男性らしい感性・知性、なんていうふうにいったら、皮肉としてしか聴こえないだろうし。

 いや、でも、そうなのだ、「男性らしい感性・知性」なんていい方が成立するとすれば、今やそれは「思考停止」の代名詞としてでしかない、ものなのかもしれないという気が、この本を読んでいると痛感するのだ。もちろん女性だっておなじなのだけれど、男性のばあい、それでいままで通ってきたから、でかい顔したまま馬鹿がこんがらがってしまったのかもしれない。(それを「オヤジ」という、のかな)
 
 で、そういう「醜悪な滑稽さ」を、金井さんが痛烈に笑ってみせるのが、このエッセイ集だ、というのはかなり乱暴な紹介なのだけれども。(もう、性によってどうのこうの、ということを書くのはやめようとおもうけど…)

 そのほかに
 『遠い朝の本たち』(ちくま文庫/須賀敦子著)
も読みおえて、やっぱり、女性にしか書けない文章があるのかもねぇ、なんて。

 ふぅ。ぼくのあたまは大丈夫かねぇ。 
by taikutuotoko | 2004-07-20 00:00 | 本・雑誌・新聞・書店


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