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男、ポマード、猛打賞。

 大リーグが身近になったために、日本のプロ野球中継でも頻繁に聞くようになった言葉がある。「マルチヒット」(複数安打)。正直いってケッ、と。ぼくとしてはやはり「猛打賞」を支持したい。あなた、マルチヒットなんて響きに夢がありますか?!猛打賞はゲームの勝敗を超えて輝く。マルチヒットじゃあ負けたらただただゴクロウサン、であります。男は黙って猛打賞。


 日曜日、バスで新宿「紀伊國屋書店」。紀伊國屋限定の文庫復刊企画「読ミガエル名作」(東川端さんブログを参照のこと)のようすをチェックする。お、往来座の瀬戸さんに ちょっとご報告 せねばならぬ書目が一点。その他、わりと意外な感じのラインナップかな。気になる方はご自分でどーぞ。

 JRで日暮里へ。ちょいと界隈散策のあと「ブックオフ」で数冊、それから「古書ほうろう」へ。このところ古本屋にいくと新潮文庫の『ユニヴァーサル野球協会』をさがして野球関係の棚を見るようにしている、のだけど、かわりに目に入ってきたのは
 『猛打賞 プロ野球随想』(講談社/清岡卓行著)

 清岡卓行、といえば、読んだことはないが『アカシアの大連』の芥川賞作家・詩人(『抒情の前線』『海の瞳』は持っているが未読)。名前の読みがタカユキだとも知らぬほどだったので、「猛打賞」と「清岡卓行」の組み合わせは意外に感じ手にとる。え、えーっ!
 清岡は一九四九年に「日本野球連盟」に就職。何かスポンサーがつきそうな個人賞の案をかんがえろ、と言われて〈私が思いついたのが、一試合三安打以上の選手へ贈る猛打賞である〉。
 他の新入社員の「ファースト・ラン賞」などが出るなか、スポンサーがついたのは「猛打賞」だった。そのさいしょのスポンサーがいい、「エーワン・ポマード」。やっぱり、男は黙って猛打賞、という感じがする。

 この本を一二六〇円で買い、ほうろうの宮地さん(ドラファン)と野球トークをしていると南陀楼さん東川端さん来る。この日このヘンで飲みましょう、ということになっていたのだ。カゼ気味の『HB』橋本さんも来て、お好み焼きの「小奈や」へ。鉄板で顔を焼きながら瓶ビールをぐいぐい。お好み焼きは広島の橋本さんに自然とまかせる流れに。でもこれは大阪風。ちょっと戸惑いながらひっくり返す橋本さんがいい。のあと、缶ビールを買いこんで南陀楼さんの仕事場へ。
 ずいぶん片付いた“けものみち”からの放出品(サンパンなど)を土産にいただいてうれしかったが、なにより南陀楼さんの昔の日記(読書録)をじっくり読めたのがヨカッタ。ぜんぜん文体変ってないんだよな。思わず朗読したくなるステキな記録でありました。書こうとしたことは忘れてしまった。なにか名言を聴いた気がするのだが。
 日をまたいで帰る。池袋からは歩き。
by taikutuotoko | 2007-12-17 22:59 | 本・雑誌・新聞・書店


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