『にっぽん蔵々紀行』(光文社文庫/勝谷誠彦著)
『大衆文化の原像』(岩波書店・同時代ライブラリー/佐藤忠男著)
を、読みおえた。もちろん、一日で読んだんじゃなくて、平行して何冊か読んでいるのがきょう読みおわったというわけだけど。
テレビやラジオでも活躍している勝谷さんだけど、そういうところでは、かなり激しい意見をいう人という印象がつよいとおもう。また、カメラマンの「不肖・宮嶋」宮嶋茂樹さんのファンなら、その本の構成者として、勝谷さんを認識しているだろう。コラムニスト、ジャーナリスト、写真家、いろんな肩書きがある。
でも、勝谷さんは、「紀行家」でもあるんだ。そして、その分野の本が、なかなかいいんだよね。
この本は、その名のとおり、日本各地の蔵にいって、酒づくりにたずさわるひとたちや、それを支える酒好きたち、日本酒をうみだすその土地の文化や風土について書いたものだ。もちろん日本酒を、呑んでのんでノミまくるんだけど、その酒をいいあらわす表現もなかなかいい。もっぱらビールのぼくも、日本酒が呑みたくなっちゃうよ。
日本酒のことをいろいろとかんがえていけば、とうぜん、それは日本そのものについて、の考察にもなってくるしね。
「酒造りは、モノ作りじゃないんですよ。生き物相手の仕事なんだ。その微妙さは、米のツラ、酵母のツラ、麹のツラを見ながらの仕事なんです。たとえば米のツラは毎年違う。その年の米のツラを見て、造り方を決めるんです」
これは、石川県の清水酒造店・清水社長のことば。
二十二の章があるけど、勝谷さんが育った神戸、震災の傷跡がいまものこるその地について書いた『よみがえれ 神戸の街と灘の酒』という章や、酒呑みたちの夢がほんとうに特別列車を走らせてしまった『秋田-米子千百キロ 「地酒列車」が運ぶ夢』などなど、読み応えたっぷりだ。
そういや、ぼくの実家、新潟なんだけど、高校のとなりは日本酒の蔵だったなぁ。
佐藤さんの
『大衆文化の原像』
は、ほとんどが著者まだ二十代のころのもの(一九三〇年生まれ)。なかでも「少年の理想主義」は、雑誌『少年倶楽部』の影響などを知るにも、とても重要。
雑誌『en-taxi(06)』を購入。