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帰りの寄り道が愉しい。

 お返し、は呉れた人にしかできないので、つまらない。必然性のない贈り物は難しい。そこで、「これ、余っちゃったからあげるよ。どっちがいい?」と選ばせると、向うは一瞬ナンだ、という顔をするが、反射的に「じゃあ、こっち」といって貰ってくれるのだ。
 この手法は、昨夜の特命係長で学んだが、有効的である。


 帰り、神保町「東京堂書店」でアレコレ本を眺めたあと、すずらん通りに出る。と、「外市」でお世話になったYさんNさんにばったり。「深川いっぷく」の「新春・彷書月刊まつり 3月のいっぷくは古本三昧」(三月七日~二五日)に行ってきたのだそうだ。イベントの模様は「リコシェ」のHPや「旅猫雑貨店 路地裏縁側日記」をどうぞ。

 お別れをして「書泉グランデ」に寄るとPR誌『アスペクト』の新しい号が出ているので頂く。特集が「売れない本のつくり方」ってのがこのPR誌らしくていいじゃないの。まだY&Nのお二人は持ってないだろうと思い、二冊掴んで駆ける。そういえばどこに行くとも聞いてなかったのだが、東京堂に駆け込むと当然のようにそこに居たのがおかしい。

 池袋駅の「QBハウス」で髪を切り、いつものように有楽町の新線で帰ろうとすると、「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」(三月一五~二八日)のひとつ「まちかどこども美術展」を壁面でやっているのに気づく。ぐるっと見て回るが、これがかなりおもしろい。小中学生が描いた、まちの好きな店の絵がずらっと並んでいるのだけれど、絵の下には数行のお店の紹介があり、これがまたイケル。ふつうの個人商店はもちろん、コンビニやファーストフード店までそれぞれ個性的な店舗に見えてきて、ここだけで小さな散歩をしているようだ。「ブックオフ」を描いたものも二つあったし、「本を知る店 東長さきの書架 四季書ぼう」なんて看板を写している絵もあって愉しい(もちろん本物は「崎」「房」は漢字)。

 〈かんばんが、おもしろくてかっこいい八勝堂さん〉を描いた絵が気に入って、「八勝堂書店」をちょっと覗いていく。そのあと、「大地屋書店 文庫ボックス」へ。
 『石ころだって役に立つ』(集英社文庫/関川夏央著)
を購入。気が済んだので新線で(いつものように数本電車をやりすごして読書してから)帰る。

 きのうの夜は
 『読書の腕前』(光文社新書/岡崎武志著)
を読んだ。これがすごくよかったんだなぁ。岡崎さんの本はどれも愉しいのだけど、いちばん愛着のわく本がこれかもしれない。読んだばかりなのに、前から何度も読んできたような気がしてくる。ふだん新書・文庫を読みおわると、それにかけていたお気に入りの酒袋カバーをすぐに外し、俺だ私だと待ちかまえている積読本に付け替えてさっそく読み出す、となるのだが、これはカバーを外し難く、けっきょく今日一日携帯してしまった。
by taikutuotoko | 2007-03-17 22:56 | 本・雑誌・新聞・書店


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