きょう読んだのは
『あと千回の晩飯』(朝日文庫/山田風太郎著)
で、同名のエッセイ(朝日新聞に連載したもの)をふくむ、平成五~八年あたりのエッセイをいろいろとあつめた一冊だ。
あとのこすところ晩飯も千回ほどではないか、ということから老後の生活と、そこから思いついたことなんかを書いていくエッセイというところではじまったようだが、回がすすむにつれ、白内障、糖尿病、アルツハイマーと、なんだか風太郎、からだがたいへんであることがわかってくる。入院まですることになるが、退院してからはいぜんとかわらぬ生活にもどってしまうのがさすが山田風太郎だ。
「あと千回の晩飯」の前半はなにやら(軽妙なタッチではあるが)闘病記のようだったけど、後半は「晩飯」のタイトルどおり、食事についての記述がふえてくる。
過去の献立記をかきうつしていた回あたりを読んでいたら、ぼくはなんとなく連想で
『ロッパの悲食記』(ちくま文庫/古川緑波著)
をおもいだしていた。
すると。
なんと、「あと千回の晩飯」はつづいて古川ロッパのはなしになったもんだからびっくり。しかも、風太郎さんの父はかの加藤弘之のまた従兄、その加藤弘之の孫が探偵作家の浜尾四郎(ぼくは知らない)、で、その浜尾の弟が古川ロッパだというのだ。
『ロッパの悲食記』というのは、じつにすさまじい本で、戦時中、ロッパがひたすら食いまくるその記述に、なにかおそろしいものすら感じる一冊。といっても、その異様さと迫力は印象深いんだけど、だいぶ以前に読んだ本なので、こまかくはおぼえていない。なんとなく、自選「ちくま文庫ベスト三〇」には入るなぁなんておもっていたけど、いい機会だ、読みかえすことにしようか。あしたはロッパだ。
ちなみに、山田風太郎がなくなったのは平成十三年(二〇〇一年)の七月二十八日。奇しくも、風太郎さんも骨をひろった江戸川乱歩と同じ命日だ(昭和四〇、一九六五年)。