池袋西口の芳林堂書店は去年いっぱいで店をたたんでしまった。ぼくはあの店がだいすきで、だいたい月に五千円くらいはつかっていたので、とてもさびしい。なにを買うとはきめずに、棚をながめているうちに欲しい本があらわれてくる感じだった。それを愉しみに、散歩のあしを池袋にむけることもたびたびだったのに。
東口のジュンク堂やリブロには、買いたい本のリストをつくっておいて、お金がはいってきたらどっさりと買うためにいくことがおおい。給料がでたあとなんかには、一回で二万くらいはつかってしまったり。だから、財布に千円しかないようなときにジュンク堂にいくと、欲求不満になってしまいがちだったりするんだ。
そういうとき、ぼくは、「自由価格本」コーナーで、倒産した社会思想社の現代教養文庫だったりを買って気をまぎらわしたりするんだけど、きょう読んだ本の
『万博少年の逆襲』(河出文庫/みうらじゅん著)
も「自由価格本」コーナーから買ってきたやつだった。
「マイブーム」「とんまつり」「ボク宝」とか、とにかくみうらさんは、なにかひとがつけてくれた価値にのっかった趣味でないものをつくりだす天才だよねぇ。その姿勢が、おもしろがってみせる、ということと対極にあるから、だろうなぁ。
数年まえ、フジの深夜に、みうらさんが伊集院光さんや山田五郎さん、フジの佐野・内田アナウンサーと『CX NUDE』といったとおもうけど、番組をやっていて、そこから本もだしているよ。
『ザ・会議室』(光進社/みうらじゅん・伊集院光・山田五郎著)
『定年なし、打つ手なし』(朝日新聞社/小林信彦著)
は、小林さんファンのぼくはとうぜん出てすぐ読んだけど(年金問題があったいま、とくにタイムリーな本になった)、名こそあげていないが、まんが・バンド・仏像・エロ写真のスクラップをあつめているひと、というふうにだれが読んでもわかるように、みうらじゅんさんのことをすこし書いているよ。「打つ手-生き抜く方法」のなかの「趣味(好きなこと)」のところで、趣味をもつといってもなかなかというひとにたいして、きざったらしい「趣味人」なんていうものとはちがう、ちょっと下世話だったりするけど、じっくり時間をかけてやっていくことのできる好きなことがあるひとの代表例としてかな。
それにしても、七十歳をこえて老いについて書いた本のなかに、みうらさんのようなひとの例を書く小林さんは、やっぱりとてつもないひとだねぇ。