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「うふう」かぁ。

 『大いなる眠り』(創元推理文庫/レイモンド・チャンドラー著/双葉十三郎訳)
を読んだ。
 チャンドラーのものって、ほかには『湖中の女』くらいしか読んだことないはず。清水俊二さんの訳の方。田中小実昌さんの訳と照らしあせたことはある。

 で、この双葉さんの訳なのだが。
〈「パパは、ラスティが好きだったわ。ラスティって誰か、知ってるわね?」
 「うふう」〉

〈「スターンウッド将軍には会ったかね?」
 「うふう」〉

 フィリップ・マーロウが、たびたび「うふう」と言うのだけど、「うふう」ってどんな感じで読めばいいのでしょうか。「ああ」「ええ」っていう感じなんだろうけど、「うふう」ってなぁ。

 あまり翻訳ミステリを読まないので、こういうのが一般的なのかどうか、よくワカランのだけど。この双葉さんの訳文には、ほかにもけっこう古風なところがあっておもしろい。(まぁ、五九年刊だし。)

 〈私は机からびんをとりだし一杯ひっかけ、腹は減ってもひもじゅうないと見得をきった。〉

 〈「こりゃどうも」男は目の玉をとび出させて言った。「承知之助で、お嬢さん」〉

 〈「このとんちき」彼女は叫んだ。
  「さよう。拙者はすこぶるりこう者でござる。〉

 清水さんのや小実昌さんのとはまた雰囲気がちがうなぁ。

 双葉さんというと、『ぼくの採点表』シリーズは図書館でたまに参照することがあるけれど、なかなか自宅に揃えるのはたいへん。というわけで
 『日本映画 ぼくの300本』 『外国映画ぼくの500本』(文春新書)
あたりを家庭用にいかがでしょうか。


 先日リンクに入れたばかりの「活字うろうろ」、一二日の「くうざんの日記」でも取りあげられているが、書店のカバーあれこれ 東京駅で遭遇というエントリーがおもしろい。 


 映画監督の石井輝男さんが亡くなったそうです。

 追記:一三日二時より、NHKラジオ第1「ラジオ深夜便」で、喜味こいしさんのインタビュー「平和な世の中で漫才やってきました」を聴く。被爆のはなし、など。「ピカは見たけど、ドンは聞いてませんねん」(気をうしなって)。
 被爆体験を公にしたのはそう昔のことではない、家族にもほとんど語ることはなかった、とのこと。広島の資料館に入ることもいまでもイヤである、爆心地にもあまり近づかない。喋りたくない、思い出すのがイヤ、というのもあるが、死んだひとたちに申しわけない、というのがあるようだ。(いっしょに出演していた娘さんによる。)

 戦後、死んだと思われていたこいしさんが実家へと戻ったときの家族の反応。父→「おう」、母→泣く、兄(いとし)→知らん顔(死ぬわけがないと思っていたから)。
by taikutuotoko | 2005-08-12 22:31 | 本・雑誌・新聞・書店


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