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ジュンク堂で、声かけ失敗。

 池袋のジュンク堂書店に寄る。予定していた本ばかりで、ちょっとツマラナイけどね。

 『メディア異人列伝』(晶文社/永江朗著)
 『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』(新潮社/坪内祐三著)
 『ぼくの大好きな俳優たち 植草甚一スクラップ・ブック3』(晶文社/植草甚一著)
 『ニューロックの真実の世界 植草甚一スクラップ・ブック21』(晶文社/植草甚一著)
 『ぼくのニューヨーク案内 植草甚一スクラップ・ブック33』(晶文社/植草甚一著)
 『彷書月刊 二〇〇五年3月号』(彷徨舎/特集:マキノ撮影所)
 『ラジオDEパンチ Vol.01』(白夜書房/笑芸人編)
を買った。ほかにも欲しいのはあったのだけど、お金が足りず、これでオシマイ。

 『ラジオDEパンチ』は、『笑芸人 Vol.14』がラジオ特集だったので、その流れかな。ふろくCD付き。表紙はテリー伊藤さん(ニッポン放送)と伊集院光さん(TBS)。テリーさんの番組は久しく聴いていないナァ。

 三階の新刊平台のところで、田口副店長が立ち読みをしているのを見かけた(格好は私服なので、お店のひとが立ち読みしている、と客には思われていないハズです)。すぐ横には
 『書店風雲録』(本の雑誌社/田口久美子著)
が積んであったので、本を指さして「これ、読みましたよ」と声をかけてみたのだ。

 すると田口さん、びっくりしたようで、「えっ、あっ、はい、こんなところで、あっ・・・」と言いながら(たしかそういったような気がするけど…)、奥の方に逃げていってしまった。とつぜん声かけちゃって、ごめんなさい。「田口さんですか」くらいの前置きがひつようだったと反省。

 そうだ、ついでだから「古書往来座」に寄っていこう。もうお金がないから、なにも買えないけど。
 入り口すぐのところに、「常設小特集 雑司ヶ谷に眠る。」というコーナーが設けられている。雑司ヶ谷霊園がすぐちかくだからね。古本のほか、霊園内の地図や「雑司ヶ谷霊園埋葬者著名人一覧」などを見ることができる。へぇ、あのひともココなんだねぇ、とおもしろかった。
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by taikutuotoko | 2005-02-28 20:24 | 本・雑誌・新聞・書店

南池袋に古書往来座あり。

 南池袋にある「古書 往来座」さんの名を、さいきんブログでよく見かける。

 ぼくも好きな店で、じつをいうと、あまり知られたくない気もしたりして(なんてココロの狭いヤツ!)、このブログにも〈南池袋の古本屋〉とか書いてゴマかしていたこともあったのだけど、こうなったら大いに宣伝しようではないか。

 〇四年六月二二日の「新・読前読後」では、池袋の古本屋にふれている。ここに書いてあるように、東京芸術劇場の下にあった「古本大學」が、南池袋に移転したのが、「古書 往来座」なのだ。また西口がサビシクなっちゃったってわけ。芳林堂書店から古本大學、っていうコースがあったんだけどね。
 
 江古田の某古本屋のオニイサンは、「古本大學が移転した」という話をきいて(ぼくが言ったのだけど)、「あそこ場所がわるいわりに家賃高そうですもんね」と言っていたナ、そういえば。

 〇五年一月二五日の「古書店データベース」に、この店の特徴が述べられているのだけど、そうなんだよね、ルーペが棚にあるんです。

 さて、この店のBGMだけど、ぼくが行くときは日本のアングラ・フォークとか、アメリカのシンガー・ソングライターなどがよくかかっていることが多い。〇五年一月三〇日の「新・読前読後」のコメント欄でkanetakuさんは、〈昨日は祭囃子のようなBGMがエンドレスに流されていて〉と書いている。う~ん、どんな曲だったのかなぁ。

 〇五年二月一九日の「とり、本屋さんにゆく」では、店員さんについてふれているが、たしかに店員さんの雰囲気もとてもイイのだ。

 〇五年二月二五日の「ナンダロウアヤシゲな日々」では、〈今日は買いたい本が見つからなかったが、いつかゴソッと買う機会があるかもしれない。〉と書いている。そういう期待をもたせてくれる店、ということ。

 上ふたつのブログでこの店を知ったということで、二七日の「晩鮭亭日常」も、往来座に行ったみたようす。講談社文芸文庫は、ほんと、並みの新刊書店より充実しているんだよね。価格は半額(よりチョイ上)程度だったと記憶。

 ちくま(学芸)文庫、講談社学術・文芸文庫の充実ぶり、というのが、わかりやすいこの店の特徴かもしれない。出たばかりでも、けっこう棚に並んでいるもの。出版社や著者にはわるいが、ついついここをチェックしてから、ということになるわけだ。

 早稲田の古本街から池袋に徒歩で帰ってくるときは、さいごに往来座に寄って、ということがよくある。東池袋は「光芳書店」の各店、西池袋は「八勝堂書店」(「池袋古書館」もイイけどね)、というのが、池袋の古本屋勢力図という感じだけど、南池袋の「古書往来座」もわすれちゃいけないのだ。

 さて、寝ようかとおもったが、NHKで『アニメ夜話』の再放送をやってる。アニメにもガンダムにもあまり興味ないが、乾貴美子さんが出てるんで見ようっと。 
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by taikutuotoko | 2005-02-28 01:32 | 本・雑誌・新聞・書店

またブックオフで。

 ふつうの古本屋にも四、五軒寄ったけれど、けっきょくブックオフでしか買わず。ん~、ブックオフ。

 江古田店では
 『夢辞典』(文藝春秋/深沢七郎著)
 『しかし… ある福祉高級官僚 死への軌跡』(あけび書房/是枝裕和著)
 『若者はなぜ「繋がり」たがるのか ケータイ世代の行方』(PHP研究所/武田徹著)
 『翻訳家という楽天家たち』(ちくま文庫/青山南著)
 『言葉の海へ』(新潮文庫/高田宏著)
 『チャップリン自伝 若き日々』(新潮文庫/チャップリン著/中野好夫訳)
を、それぞれ一〇五円で購入。
 
 新潮文庫の『チャップリン自伝』は、いまでは上・下巻というふうになっていて、これは上巻にあたるもの。この版(八一年・初版)にはまだ「上」の字はない。『言葉の海へ』は、『言海』の大槻文彦について。『しかし…』は、山内豊徳さんのこと。

 練馬のブックオフでは
 『イタリア歩けば…』(廣済堂出版/林丈二著)
だけ。一〇五円。

 練馬では、一度だけ行った「古本 遥」を探してみた。このまえ練馬行ったときはフシギと見つからなかったのだが、きょうは発見。しかし、シャッターが閉まっていて、二月半ばで移転のため閉店、という張り紙が貼ってあったのでビックリ。ぼくの散歩圏から古本屋がまた減っちゃった。こないだの(あ、きょうまでか)「サンシャインシティ大古本まつり」に出店していたとおもったけど。

 ニッポン放送の『笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ』を聴き、鶴瓶さんの本名が「駿河学(するがまなぶ)」と知る。へぇ。
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by taikutuotoko | 2005-02-27 17:48 | 本・雑誌・新聞・書店

カット・フィルム見学。

 『映画字幕五十年』(ハヤカワ文庫/清水俊二著)
を読みはじめた。単行本が一九八五年、文庫が八七年刊。

 まだほんの出だしだが、昼からはラジオと散歩なので、きょうのうちには読みおわりそうにない。おもしろいところを、ちょっとメモしておこう。

 一九二八年、東大在学中の清水さんは、仲間とともに映画研究会を設立した。設立委員四人のうちのひとりだそうだ。

 その活動のなかで、〈学生たちに大いにありがたがられたのは映画館の割引入場券とカット・フィルムの見学であった〉そうで、人気作の上映では、割引券が何百枚と売れたという。

 もうひとつの「カット・フィルム見学」は、というと。

 〈カット・フィルム見学というのは検閲でカットされたキス・シーンや裸体シーンを集めてつないだフィルムを霞ヶ関の警視庁検閲室で見せてもらうことである。役人のほとんどが先輩ということからこんなバカげた催しができたのだが、いつも大入満員で、映研の存在を覚えてもらうのに役立っていた。〉
 
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by taikutuotoko | 2005-02-27 12:57 | 本・雑誌・新聞・書店

日記の中の、「恐縮だが……」。

 飲み会で早朝に帰宅し、倒れるように寝た。昼に起きてブログを書き、さてもうひと眠り、というつもりが、眼を覚ますともう二二時だもの。ああ、せっかくの休みが、もったいない。

 そんな時間に起きたって、布団のなかでモゾモゾと読書するしかないわな。気楽なやつがイイ、と
 『野郎どもと女たち』(集英社文庫/村松友視著)
を読んだ。単行本が一九八四年、文庫が八八年刊。『時代屋の女房』で直木賞(八二年・上)を受賞した前後に書かれた〈他人に読ませる目的で書いた日記〉のような(雑誌連載の)エッセイ集だ。

 「あとがき」で、村松さんは〈私には内面の告白をする日記という世界に馴染まないところがあるらしい。〉と書いている。〈自分のために自分で書き記す日記〉は、習慣にない、と。

 この先がおもしろい。

 〈ところがある日、三島由紀夫の全集のうちの「日記篇」というやつを読んで、私は日記に対する認識を変えてしまった。三島由紀夫の日記のある日の書き出しは、それほどに鮮烈な印象を、私に与えたものだ。
 尾籠な話で恐縮だが……これが、その日記の書き出しだった。自分のために書き自分だけが読む日記の中で、この文章はどう考えても突飛だ。書き手はいったい、誰に対して恐縮しているのだろう。しかし、あの三島由紀夫の自意識と、「尾籠な話で恐縮だが」は、実によく似合っている。いや、むしろこの感覚こそが、三島由紀夫世界のまん真ん中かもしれない……そう思うと、この日記の書き出しは貴重な一行のような気さえしたものだった。〉 

 「文庫のためのあとがき」では、〈あらためて読み直してみると、ここに納められたエッセイを下敷にして、いかに多くの短篇小説や長篇小説を書いたかに、我ながらおどろいてしまった。〉と書いている。
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by taikutuotoko | 2005-02-27 02:49 | 本・雑誌・新聞・書店

このヘンを買う予定。

 きのうの夜は、飲めや歌えやで、朝まで。そんなわけで更新もできず、本も読めず。おまけに、頭(ノドも)イテェし眠テェが、自己責任てやつだ。

 まだ下ろしてないが薄っす~い給料も出たことだし、買う本をきめておかないと。

 二月発売の予定の
 『メディア異人列伝』(晶文社/永江朗著)
は、もう書店にならんでいるのだろうか。ジュンク堂書店のサイトにはまだアップされてないから、まだかな。『噂の眞相』の連載をまとめたもの。 
 晶文社といえば、今回の「植草甚一スクラップブック」は『ぼくの大好きな俳優たち』『ニュー・ロックの真実の世界』『ぼくのニューヨーク案内』だ。これも買わないと。

 いくつものブログで「おもしろい」と評判の
 『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』(新潮社/坪内祐三著)
も、とうぜん買うでしょ。
 
 ざんねんながら、未完におわった
 『我、拗ね者として生涯を閉ず』(講談社/本田靖春著)
も出た。二六二五円。う~む、これも考えておこう。
 
 「講談社選書メチエ」版は持っているが
 『「隔離」という病い 近代日本の医療空間』(中公文庫/武田徹著)
は買い。武田さんのオンライン日記には、〈このシリーズの次は『偽満州国論』で6月ぐらいかな。〉とあったぞ。どちらも読んである本だが、文庫化はウレシイ。
 
 そのほか、気になるのは
 『宮台真司interviews』(世界書院/宮台真司著)
 『ミステリーファンのための古書店ガイド』(光文社文庫/野村宏平著)
あたりだろうか。文庫は、ほかにもいろいろあるんだけれどね。
 
 とりあえず、つぎにジュンク堂に行ったときには、このあたりのを買う予定。新刊だと、ついつい決まりきった著者の本ばかり買いがちなのが、あまり良くないナァ。気のきいた新書新刊も一冊くらい欲しいし。ま、あとは古本でカバーすればいいか。

 ぼくの場合、オンライン書店セブンアンドワイの「マイページ」に作家名やらキーワードを入れておいて情報をえることが多いのだが(情報が遅かったりするけどね)、三月中旬に
 『ドキュメンタリーは嘘をつく』(草思社/森達也著) 
というのが出るようだよ。

 キーワードに「古本」と入れてあるので、こんなのが出るらしいことも知る。
 『フライング・ブックス 古本とコーヒー(仮)』(晶文社/山路和弘著)
が、三月下旬発売、とのこと。「フライング・ブックス」というのには、行ったことないけれど、気になるねぇ。

 もひとつ、CDだが、大滝詠一さんの
 『Niagara Moon 30th Anniversary Edition』
が、三月二一日に発売とのこと。大瀧作品ではこの『Niagara Moon』が、いちばん好きかも。 

 さぁて、もうひと眠りしますか。
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by taikutuotoko | 2005-02-26 12:22 | 本・雑誌・新聞・書店

占領と、学問の城砦。

〈日本がシンガポールを占領していた戦時中、あの南の小さな島の片隅に、徳川義親マライ軍政監部最高顧問(彼自身生物学者であった)を中心とする、敵と味方の入りまじった奇妙な学者グループが出現していた。世界じゅうが戦火に燃え、地球が破壊されている最中に、彼らは島の文化遺産を守ることに奔走し、自然科学の諸研究にいそしんでいたのである。〉

 『思い出の昭南博物館 占領下シンガポールと徳川候』(中公新書/E・J・H・コーナー著/石井美樹子訳)
を読んだ。英人捕虜でありながら、その〈奇妙な学者グループ〉のひとりであった著者による回想記。英語版が一九八一年刊。この日本版は八二年刊だが、訳者の石井さんが大幅に編集・加筆している。

 著者をべつにすれば、本書の中心人物は、前半が「昭南(シンガポール)博物館」館長・田中館秀三(田中館愛橘博士の娘婿)、後半が博物館と植物園の総長・徳川義親(尾張徳川一九代目当主)となる。
 田中館教授は、ねがい半ばにして島を去らねばならなかったが、入れ替わりに近いかたちで、徳川侯爵が登場してくるのだ。ふたりの果たした役割について、著者はこのように言い表わしてる。

 〈占領直後の混乱の最中、粉々になった破片を拾い集め城砦を築いたのは田中館教授だった。そのときは人に有無を言わさぬ教授の実行力とエネルギーと巧みな外交手腕がものをいった。しかしそれが軌道に乗ったとき、城砦の発展と安定のために侯爵の力と人柄が必要となった。侯爵は高い地位と学者としてのすぐれた知性により、城砦に威厳と運営上の基盤を与え、土台をゆるがぬものとした。〉

 この「城砦」において、重視されたものはなんだったろうか。
 〈侯爵も教授も、科学や学問は個人や国家の所有物であってはならぬと考えていた。たとえ国と国とが敵対関係にあろうとも、科学者は国境を越えて手を結んでゆかねばならないと信じていた。〉

 教授らは、いずれこの島が日本の手から放れることになることを覚悟していた。戦火と占領のなかで、貴重な本や文化財が四散することなく、そのときには「名誉ある返還」が果たせるよう心を配ったのである。それは占領者である日本との、日本の名誉のためのたたかいでもあった。
 著者は、そこで築かれた人間関係も、合理性とヒューマニティにあふれるものであったといい、彼らを〈類まれなる武士(もののふ)〉である、と評している。 

 徳川義親については
 『おたくの本懐 「集める」ことの叡智と冒険』(ちくま文庫/長山靖生著)
でもふれられているので、どうぞ。
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by taikutuotoko | 2005-02-25 02:01 | 本・雑誌・新聞・書店

いつもの日本語を英語にすると。

 ページのいちばん上に日本語の課題文(一、二行)があり、いちばん下にあるのは、それに対応する英語の例文だ。そのあいだを、説明・解説の文章が埋めている。一ページに一例、全二〇〇例。
 こんなふうに書くと、受験生の参考書みたいだが、これが矢鱈とおもしろいのである。片岡義男、おそるべし。
 
 『英語で言うとはこういうこと』(角川oneテーマ21/片岡義男著)
を読んだ。二〇〇三年刊。「角川oneテーマ21」というのは新書ですよ。

 まず、片岡さんがえらんだ日本語の課題文が、どれもタマラナイ。いくつかあげてみると。

 「私は昔を懐かしがる人ではないんですよ」 「人生の黄昏にさしかかった平凡な人間」 「政府は見て見ぬふり」 「整形じゃないかもしれないよ」 「表現に配慮を欠いた点があったのは認めます」 「とんでもない、ただのいい友だちです」 「つもる話を肴に一杯」 「私は色気でいけるタイプじゃないから」 「彼は私とおなじ夢を見てますから」 「昨夜ちょうど今頃」 「その映画のまんなかあたり」 「ただいま現在この時点におきましては」……。

 ふだん、なにげなく口(耳)にするような言葉たちばかりだが、さてこれを英語に、とかんがえると、どうだろう。微妙なところに、つい引きずられて、困ってしまうのではないか。

 だが、安心してほしい。片岡さんの解説を読めばいいのだ。そして、片岡さん独特のいいまわしを、たっぷりと堪能しようではないか。
 たとえば、「あれだけの高度だと太陽の光はものすごく強いんですよ」の、「あれだけの」を語らせても、こんなふうになる。

 〈「あれだけの」という日本語の言いかたを、普通に正しい英語でとっさに言いなおすのは、なかなか難しい。その難しさの中心にあるのは、「あれ」というひと言が持つ、ほぼ無限の雄弁さだと僕は思う。「あれ」という核に「だけ」がつき、そこへさらに「の」が加わると、その雄弁さにはもはや手がつけられない。〉

 くぅ~、「あれだけの」の〈雄弁さ〉!
 
 片岡さんは 
 〈使いなれた日本語を砕き、意味だけを正確に要約し、それを簡明な英語で言い換えるという能力が、その人の英語力になっていく〉
という。本書の二〇〇例は、そのための最高のトレーニングになるだろう。 
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by taikutuotoko | 2005-02-24 02:39 | 本・雑誌・新聞・書店

池波さんの青春。

 〈十代の一年は、中年男の十年に相当するようにさえおもえる。
 毎日、夜が明けるのが待ち遠しいほどに、することがしきれなかったものだ。それで何をしたのか……といえば、何事にもつまらぬことばかりで、自分の日常が〔社会〕につながっていることは何一つないのである。
 けれども、このころの〔生活〕がなかったなら、いまの私が時代小説などというものを書いて、何とか暮らしてゆくべき〔土台〕はつちかわれなかったろうとおもう。〉

 『青春忘れもの』(中公文庫/池波正太郎著)
を読んだ。一九六七~六八年に『小説新潮』に連載された青春記で、一九七四年刊(時代小説「同門の宴」を併録)。ちなみに池波さんは一九二三年生まれ。

 池波さんは、一三歳から奉公に出、第一の青春を株屋としてすごした。〈戦前の日本では〔兜町の人間〕といえば〔ろくでなし〕の代名詞のようなもの〉だったそうで、ずいぶんと(副)収入にめぐまれて、食い物に吉原に芝居に映画にと、贅沢三昧、親友と遊び歩いた日々であったという。
 これらもすべて、のちの小説にエッセイにと、いかされることになるが、併録された時代小説「同門の宴」はそのサンプル、とのこと。
 
 やがて、海軍に応召。横須賀海兵団時代の、印象的な上官について。

 〈寒風吹き荒ぶ海辺の錬兵場で〔敬礼訓練〕をやっているとき、小比類巻班長が、急に、つかつかと私の傍へやって来た。
 (なぐられる……)
 と、思った。
 寒くて、敬礼をする手のゆびがかじかんでしまい、思うように伸びなかったからだ。
 すると、班長は私の手をつかみ、これをあたたかい自分の両手の中へつつみこんで、ゆっくりともみほぐしはじめてくれたものである。
 一言も口をきかず、なんともいえない深い眼の色で私をのぞきこみつつ、私の右手をもみあたため終ると、また黙って去った。〉 

 「一緒に死ねる」と思えた上官は、このひとを含め〈ただの二人しかいなかった〉と、池波さんは書いている。

 軍隊生活を経て、(ほかの仕事もしながら)筆の道へ。長谷川伸に師事し、脚本に小説に、という第二の青春をおくっていくわけだが、その長谷川伸の都々逸に、こんなものがあるそうだ。

 〈手からはなした万年筆の音が耳立つ午前二時〉

 あらら、気づけば、もう二時過ぎているじゃないの。たいへんまとまりが悪い書き込みだが、ここらでよしておこう。


 「内澤旬子の仕事日記」と「エエジャナイカ」をリンクに追加。

 リンク欄が長くなってきたので、「千人印の歩行器」の旧ブログ「♯葉っぱがアフォード♪阿呆ダンス♪♪ 」は、リンク欄から外させてもらいます。ご了承を。
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by taikutuotoko | 2005-02-23 02:41 | 本・雑誌・新聞・書店

早ビケして、四冊購入。

 ちょっと早ビケ。まぁ、いろいろとねぇ。まわりでも不満が渦巻いております。
 
 池袋のジュンク堂書店へ。買いたい単行本がいくつもあるのだけど、それはまた今度。きょうは
 『英語で言うとはこういうこと』(角川oneテーマ21/片岡義男著)
だけ購入。まだ読んでいないのに、かなりおもしろそうなのだ、これは。

 「サンシャインシティ大古本まつり」にも寄る。
 『アメリカ風俗マップ』(旺文社文庫/枝川公一著)
が、四二〇円。
 『映画字幕五十年』(ハヤカワ文庫/清水俊二著)
が、三一五円。解説が小林信彦さん。

 光芳書店の、えーと、あれは何店ていうのかな、ちょっとわからないけど本店ではないトコロで
 『野郎どもと女たち』(集英社文庫/松村友視著)
が、一〇〇円。

 まだ、読みおえた本はないので、こんなところです。 
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by taikutuotoko | 2005-02-22 21:22 | 本・雑誌・新聞・書店