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「装丁」あれこれ・平野甲賀。

 きのうは植草甚一さんの本を買ったんだけど、植草さんといえば晶文社、晶文社の本の装丁(ブックデザイン)といえば、やっぱり平野甲賀さんてことになるよねぇ。ある時期までは、甲賀さんが一手にひきうけていたわけだから。

 『平野甲賀〔装丁〕術・好きな本のかたち』(晶文社/平野甲賀著)
は、『シリーズ〔日常術〕』のなかの一冊(一九八六年刊)だ。
 
 甲賀さんに装丁の依頼がきてから本の完成までの仕事のすすめ方をみせてくれて、そのあいだに、甲賀さんの装丁観とか、過去の作品についてのコメントなんかがはさまっている。写真もいっぱいだ。
 甲賀さんといえば、なんといってもその文字だよね。うれしいのは、その書き文字が、完成にむかっていく流れなんかも、この本では見ることができるんだ。

 しかも。
 この本のなかで、じっさいにデザインしていく本が
 『小野二郎著作集』
の第一巻の
 『ウィリアム・モリス研究』
なんだ。
 ぼくはこの本をもっているわけじゃないんだけど(かなり高いんだよねぇ)、晶文社をたちあげた人のひとりが小野さんだってことは知っていたから、とっても気にしていた人なんだよ。五十二歳でなくなってしまったらしいんだけど。
 欲しいなぁ、この本。
  
 ぼくのだいすきな小林信彦さん、その本の多くで、甲賀さんが装丁を担当しているんだ。だから、ぼくのすきな本のかなりが、甲賀さんの装丁なんだよね。なにげなく読んだ本が、それぞれは内容も著者も関係ないのに、三冊くらいつづけて甲賀さんの装丁だったりするもんなぁ。すごいや。

 本屋の棚から「これ甲賀さん!」とか、「義也さん!」、「和田さん!」なんておもいながらひきぬいて確かめるゲームを、ぼくはときどきやったりする(いまあげた三人は、いちばん判別が簡単な装幀家だけどもね)。どう、やってみない?
by taikutuotoko | 2004-06-28 22:47 | 本・雑誌・新聞・書店


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