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自称「谷間」世代。

 『平行植物』(ちくま文庫/レオ・レオーニ著/宮本淳訳)
 『花田清輝評論集』(岩波文庫/花田清輝著/粉川哲夫編)
 『マンガ青春記』(集英社文庫/中島梓著)
を読む。『畸人研究 第21号』も。『平行~』はTさんからの借り物。

 『マンガ青春記』に
 〈やはり、二十八年生まれの甲斐よしひろと話していて、「オレは全共闘少年だからさあ」というのに、たいへん感じ入ったこともある。「全共闘少年」というのはたしかに同い年の感覚であった。私たちは、二つの文化の型の谷間に生まれて、五年年上の人たちのしていることを、つま先立ってすきま見していた世代だったのだ。甲斐よしひろが全共闘少年だったように、私はCOM少女だった。それらはそのころの大学生、高校生たちのもので、私たちは憧れつつ、何も知らず、仲間に入れてほしがっていたのだ。〉
とあっておもしろい。もう三年のちに生まれた斎藤美奈子さんが『ウフ.』九月号で「昔、ヤングだった「団塊」の世代病」(「世の中ラボ」)を書いているが、そういうのもあわせて。甲斐中島組の五年下というと、坪内岡崎対談で話題になっていた世代となる。

 自分たちを〈谷間〉で〈つま先立ってすきま見〉の世代だ、っていうのが、いま流行の「団塊」本や嫌「団塊」本とも違っていて、気になる感じだ。
by taikutuotoko | 2006-08-24 01:10 | 本・雑誌・新聞・書店


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