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ちしへ文庫?

 いまちょっと、二〇〇二年六月号の『編集会議』を引っ張り出してきた。目当ては、特集「企画 虎の穴」でちょっぴり公開されている松田哲夫さんの企画ノートだ。
 で、一九八四年八月一六日に記された「《文庫》の可能性について」の「6.共同文庫は可能だろうか」という見出しの文章を見ると、すんげぇことが書いてある。

  〈(略)筑摩と体質の近い会社で、同じく草刈り場しつつあるところと強力なタイアップを組んで乱立する文庫戦へとおもむくことは可能だろうか。例えば晶文社との二社提けい、それに平凡社を加えた三社……まあ、四社までが限度だろうが、在庫管理や話題づくり、そして基本財産の豊富化という点からも、真剣に考えられてよいだろう。〉

 筑摩晶文社平凡社……んうわっ、鼻血出そう。まぁ、翌年一二月に「ちくま文庫」が創刊されたわけで、共同文庫の実現はならなかったのだが。もし実現していたらどうなっていたのかなぁ。

 (種村季弘さんの「漫遊記」シリーズについて、このころ角川・河出が文庫化の声をかけていたらしい。角川・河出文庫版の『○物漫遊記』を想像してみるのもなかなかおもしろい。そして、ちくま文庫が生まれなければあの本は、この本は…と考えるのも興味深い。)
by taikutuotoko | 2006-01-05 01:52 | 本・雑誌・新聞・書店


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