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巨人軍の塹壕。

 タイトルの「巨人軍の塹壕」は、「ジャイアンツのダッグアウト」と読んでくれなければ困る。

 『ザ・巨人軍』(徳間文庫/岩川隆著)
を読んだ。『アサヒ芸能』の連載を元にしたもので、文庫は八三年刊。ダッグアウトの中から見た第一次長嶋政権時代の内幕であり、「知られざる選手名鑑」である。いくつかメモをしておこう。

 ●柴田勲
 〈川上監督の時代に、野球のルールについてのテストがあり、柴田は百点満点という成績をあげて“野球博士”のニックネームを頂戴している。ちなみに、天才・長嶋監督は、このとき五十点以下だったといわれる。〉

 ●高田繁
 足のサイズは、二五センチ。

 ●山倉和博
 長嶋監督は、捕手には大声が必要だというので、山倉らに大声の特訓を命じた。夜、海岸にむかって叫ぶのである。そのかわり、その特訓では「長嶋(黒江)の馬鹿野郎!」と叫ぶことを許可されている。
 ちなみに、山倉捕手の卒論(早大)のテーマは、「野球における捕手の一考察」。 

 ●吉田孝司
 初選出されたオールスター戦で、代打で二点適時二塁打を打った。母親を球場に招待していたので、ハリキッて打ったのだ。
 がっ。〈しかし、その頃、おかあさんは、どこで、どうしていたか。吉田が、かんじんの切符を渡すのを忘れたために、母親は、球場の外をうろうろしていたという。〉

 ●角三男(盈男)
 〈小学校六年生のときは健康優良児として鳥取県下で第一位になったこともある。〉

 ●高橋良昌
 数少ない電車出勤選手。車中で愛読するのは競馬新聞。ただし、子供が近寄ってきたときは折りたたんでポケットにしまう。本人曰く、「〈巨人軍の選手は少年のアイドルですから。〉」。

 ●堀内恒夫
 子供には玩具を大量に買え与えた。本人もじつは好きらしい。
 〈電動式の電車などは堀内のほうが夢中になり、留守中にこわされるのをおそれて、試合に出かけるときには押し入れの中にかくしていくという。帰宅すると、取り出して二人で遊ぶ。興じると、好きな酒も飲まないで二時間も三時間も遊ぶ。〉

 ●小川邦和
 小川投手はたいへんな読書家であるという。
 〈川崎の自宅までたずねたとき、私は、部屋の片隅につぎのような本が無造作に積み上げられているのを見た。
 ……『坂口安吾評論全集』(文学思想、社会風俗、歴史紀行、人物観、巷談随想、回想自伝など七巻)、『熱病・殺人ウイルスとの1700日の死闘』(ジョン・G・クーラー著)、『三国志』(吉川英治著)、アーサー・ミラー全集、夏目漱石全集、『論語』『孟子』『大学』『中庸』、『唐詩選』、『人類は生き残れるか』(今西錦司)、『漢字と文化』、『ギリシア神話』、『方丈記』、『都鄙問答』(石田梅岩著・足立栗園校訂)、そのほか洋書の数々。たとえば野球に関するものでは、“The Dodger Way to Play Baseball.by AL Campanis”などがある。〉
 
 おおくのタイガースファンは、星野SDが巨人の監督になることには反対であると聞く。そんなチイセェことを言っていたら、ドラゴンズファンに笑われるだろうと思う。
 星野さんがやる気だというなら、タイガースはなにがなんでも優勝して、気持ちよく送り出すべきである。そうやって恩返しすべきである。
by taikutuotoko | 2005-09-02 22:26 | 本・雑誌・新聞・書店


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