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推理文壇史が気になる今日この頃。

 『短篇集 日本推理作家協会賞受賞作全集2』(双葉文庫/木々高太郎・香山滋・山田風太郎・大坪砂男・水谷準著)
を読んだ。収録作は、「新月」(木々)、「海鰻荘奇談」(香山)、「眼中の悪魔」「虚像淫楽」(山田)、「私刑(リンチ)」(大坪)、「ある決闘」(水谷)。山田作品のみ、既読。

 「解説」(山村正夫)によると。

 〈大坪氏は初代八幡製鉄所長官、東大教授、貴族院議員和田維四郎の息子で、少年時代には、日本初の鉄筋コンクリートの豪邸で過ごしたという金満家の育ちだったが、氏一代で遺産をすっかり蕩尽してしまい、私が知った昭和二十七、八年頃には、新宿の花園町にあった『みどり』という一杯茶屋の、三畳間に細々と起居していた。以前は日本橋の『相馬屋』という骨董店に住込んでいたそうだが、その後探偵作家の朝山蜻一氏の世話により、そこへ移ってきたらしい。氏の部屋にはトランクが一つ置いてあるだけで、それを食卓兼仕事机のかわりに使い、その上に百匁蝋燭を立てた燭台を置き、夜間は電話代の節約のため、冬には明かりと暖房を兼用するという、極貧の生活ぶりだった。〉

 とのことなのだが、和田維四郎って名前はどこかで見かけたばかりだなぁ、と。そうだ、「ジュンク堂書店日記」の和田維四郎コレクションを読んだばかりだったのだ。

 山村さんの『推理文壇戦後史』(双葉文庫)は読んだことがあるのだが、続編も読んでみたいなぁ。最後の巻だけは文庫になってない、というようなことを南陀楼さんが書いていたような。
 『わが懐旧的探偵作家論 日本推理作家協会賞受賞作全集32』(双葉文庫)
は、そのうち手をつけるつもりでわかりやすいところに取り置いていた。これも読まねば。



 どうでもいいかもしれないけれど、気にしていることをちょっと。
 たくさんのブログを見ているため、自分がほかのブログに残したコメントのことをすっかり忘れてしまうことがある。こちらから質問したのにもかかわらず、それへの回答を読むのを忘れてしまっていたり。たまに、ほかのブログのなかを「退屈男」で検索したりしてチェックするのだけど、それでも見逃してしまうことがあるわけで。というわけで、そういうことがあるかもしれませんが、お許しくださいませ。いやほんと、さいきん記憶力に自信がないので。 
by taikutuotoko | 2005-08-25 02:44 | 本・雑誌・新聞・書店


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