『読書日録大全』(講談社/植田康夫編)
を、さっそく読みはじめる。まだ、七分の一程度。なにせ、七〇〇ページを超える大著なのだ。
日野啓三さんの回で、森敦さんが〈組曲「月山」のレコードを持って来てくださった〉、とある。
〈以来この数日、わが家はすっかりこの一枚のレコードに占領された感じだ。私のいない間もかけているらしく息子は、「ミイラ」と「大根3/4」の章などすっかりおぼえてしまい、「肛門から前のものさかけて、グイと刃物でえぐって、えぐって」と大声で歌っている。「未だ生を知らず、焉ぞ死を知らん」と、女房も味噌汁の大根を千本に切りながら、口ずさんでいる。〉
どうやら、新井満さんによるフォーク・ソングらしいのだが、いったいどんな音楽なんだろう、という気にさせられる。新井さんて、あの芥川賞の新井さん?(調べたら、やっぱりあの新井さんだった。)
ちなみにぼくは、森敦さんの『月山』は三分の一ほど読んで、そのままにしてあるはずだ。司修さんの装幀ばかり印象にあるが、内容はほとんどおぼえていない。いつか、ちゃんと最後まで読んでみようと思う。