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『袋小路の休日』再文庫化。

 小林信彦ファンにウレシイ情報。十一月の文庫新刊に
 『袋小路の休日』(講談社文芸文庫/小林信彦著)
の名が。さすがだね、講談社文芸文庫。よっ、びんぼう人泣かせ!税込み一三六五円。

 この小説集、単行本は一九八〇年に中央公論社から出ている(中公文庫版あり)。ぼくは単行本をもっているのだけど、講談社文芸文庫といえば、巻末にいろいろとオマケがあるから、ぜったいに買おうっと。
 単行本の方に収録されているのは、おもに『海』(「北の青年」のみ、『文学界』)に掲載された、「隅の老人」「北の青年」「根岸映画村」「路面電車」「自由業者」「ホテル・ピカディリー」「街」の七編。

 この本については、小林さんがあとがきで
 「狂言まわし役の上村宏という人物は、さまざまな職業を経て、現在は映画やテレヴィに関する雑文を書いている」
という設定で
 「〈上村宏〉というレンズを通して、私は、私の過去に属する光景について七つのスケッチを試みたのである。」
と述べているように、連作的なものだ。「私の過去」ということでいうと、たとえば、「隅の老人」は、「宝石」ならぬ「オパール」社の、〈隅の老人〉だったり。

 この新刊情報は、BOOK CLIPで得たもの。なかなかここも便利だな。
by taikutuotoko | 2004-10-09 19:08 | 本・雑誌・新聞・書店


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